みなさんこんにちは、建築家の松本勲です。
このコーナーで、無垢材の魅力についてお伝えしてきました。
では、実際どんな材料があり、それぞれどんな特徴があるのか。
床材としてもよく使われる無垢材をいくつかご紹介したいと思います。
【スギ】
建築材としては、柱としても板材としても使われるスギ。古代の住居跡からかなり大量のスギ材が発見されることが多く、古くからわれわれの生活に結びついていた、日本の代表ともいえる木材です。
スギの木目は、端正で気品がありながらも表情豊かです。節があるのが大きな特徴です。また、やわらかい素材のため肌触りが非常に良く、ぬくもりも感じられ、快適性が高い床材です。
無垢材というと高価なイメージがあるかもしれませんが、スギは無垢フローリングの中ではリーズナブルで比較的手が届きやすくなっています。
【ヒノキ】
ヒノキは住宅の建材として非常に多くの用途に、しかも、高品質な材料として使われます。
心材の耐久性が高く、しかも、長期の水湿に耐える材料で、神社仏閣の建築にも欠かすことができない材料です。上手に仕あげると美しい光沢が出るとともに、特有な芳香があることが、材料としての価値を高めています。
【ベイマツ】
北米大陸でカナダのブリティッシュコロンビア州からカルフォルニア州にかけて分布しています。マツという名がついていますが、アカマツなどのマツ類とは別の類の樹種で、日本で相当するものとしてはトガサワラがあります。
強さがあり、しかも大径で長い材が得られるので、日本では非常に少なくなった長い材の必要な梁や桁のような用途に好適な材料となっています。
【アカマツ、クロマツ】
本州の北部から四国、九州を経て屋久島にまで分布します。クロマツは一般に海辺に近い処で見られ、アカマツは海辺から離れた地域に見られます。
アカマツとクロマツはマツ類のうちでも重硬なため、建築材料としては軸組、敷居、床板など様々な用途で使用されます。
【オーク(ナラ)】
オークは日本ではナラと呼ばれています。ナラはブナ科の樹木で、ドングリのなる木といえば少し想像しやすいのではないでしょうか。身近なものだと、ウイスキーやワインの樽によく使われています。
はっきりとした力強い木目で、落ち着いた優しい雰囲気がでます。どんなインテリアにも合わせやすいのが特徴です。耐水性が強く、また傷つきにくい耐久性の強い床材です。