みなさんこんにちは、建築家の松本勲です。
前回、木の香りがもたらすリラックス効果のお話をさせていただきましたが、実はその他にも、木の香りがもたらす効果はいろいろあります。
●キッチンや玄関に有効!悪臭を消す効果
木は良い香りを与えてくれるだけでなく、悪臭を消す効果もあります。
ヒノキやヒバ、トドマツなどに悪臭成分のアンモニアの臭いを通したところ、高い消臭効果があることが実証されています。
生活する上で臭いが気になるキッチンや玄関、下駄箱などには消臭効果のあるヒノキのチップを置いたり、木のキッチンや無垢材の収納家具を取り入れるのも良いでしょう。
●防虫効果で大切な衣服を守ることができる
香りによって防虫効果を発揮し、大切な衣服を守ってくれる木をご存知ですか?
代表的な木として挙げられる「クス」には枝や葉を傷つけると樟脳(しょうのう)の香りが漂います。樟脳はクスの精油の主成分であり、衣類の防虫剤や医療品(鎮痛剤など)として現在も使われています。他にもヒバやシナ、桐などは防虫効果が高い木材です。
お子様の衣類などは特に、市販の防虫剤を使用するのではなく、天然の防虫効果のある無垢材の桐やシナを内材として使用したチェストや収納を使うと健康にも良いですね。
●殺菌効果でお弁当も美味しく
今のように冷蔵庫がなかった時代、食べ物はどのように保管していたのでしょうか。
木には抗菌作用があることは昔から良く知られており、食べ物を葉で巻いたりすることでカビや細菌から守り長持ちさせてきました。現在も笹団子や桜餅などを葉で巻くのは、香り付け以外にそういった古くからの文化の継承も兼ねているからです。
また、杉の木の殺菌効果により食べ物が痛みづらく、夏場でもご飯が二日は持つと言われる国産の曲げわっぱのお弁当箱なども見直されてきています。
木には調湿効果もあるといわれており、冷めてもご飯が美味しく食べられるという点も評価されています。