みなさんこんにちは、建築家の松本勲です。
こちらのコーナーでは、住まいに限らず「木の魅力」についてお話させていただいていますが、今回は「木製遊具」をご紹介したいと思います。
写真の遊具は、宮崎市南部の木花地区の「木花こども園」にある飫肥杉の大径材を活用した「大型木製遊具」。何本もの太い柱に支えられた印象的なパーゴラが、遠くから目に付き、近づくとその大きさに改めて目を見張ります。
子どもたちが自然物に触れ、五感を通じて感性を磨いていけるのが木の遊具の魅力。
「自然物の中で私たちの暮らしにいちばん身近なのが木という素材だと思います。木という素材は、子どもの育ちの環境の中にもっともっと活かされるべきだと思います」と、施主様である木花こども園の方もお話されているそうです。
木材は、鉄やプラスチックなどの素材に比べ熱伝導率が低いので、夏でも熱くなりすぎず、冬でも冷たくなりすぎず、手触りがやさしいのが魅力です。木の色や光沢が子どもたちにソフトな刺激を与えてくれます。こちらの遊具は杉を使っていますが、杉の香りには鎮静効果があり、感触もやわらかく、子どもたちが安心して遊ぶことができます。
遊具は安全であることが第一条件。さらに木の遊具の場合は “腐れ”への配慮も重要です。今回この木製遊具で使用された、宮崎県日南地方の飫肥(おび)杉という杉は、樹脂を多く含み、昔は船を造るのに使われ、水に強いと言われています。
木にはたくさんの魅力がありますが、その特性は材料によっても変わってきます。
その特性を理解し活用していくことは、家づくりでも同じことですね。