西東京市の工務店 松本工務店

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文化財に使用される「へぎ板」の話

みなさんこんにちは、建築家の松本勲です。

松本工務店では昨年の夏からお茶室修復工事のお手伝いをしています。
今回はいつもと少し違うものを、2回に分けてご紹介したいと思います。

住宅にはほとんど使われませんが、数寄屋の住まいやお茶室などに使用させる材料で 
「枌板(へぎいた)」というものがあります。
へぎ板とは、生木の木材を木口から楔(くさび)やなたを使用して木の繊維に沿って薄く割るというシンプルな加工方法で作られた板の事で、木の繊維を切らないので艶があり、水をはじいてくれるという性質があります。
こけら葺きという屋根や屋根のトントンと呼ばれる下地材として、アスファルト系防水紙が登場する前はよく使われていました。
文化財、お茶室、数寄屋建物などではいまでも使用されている材料で、
主に使用されるのは 杉、桧、さわら、鼠子(ねずこ)などの針葉樹です。
お茶室の内装材では桧はあまり使用させず、杉や松材がよく使われています。

へぎ板と使用した網代天井

今回のお茶室では網代天井や庇の化粧板、戸袋の鏡板としてへぎ板が使用されていて、修復作業で割れていたへぎ板の交換のために手配しました。
写真の物は厚さ1㎜くらい、幅15㎝、長さ1m弱の鼠子(ねずこ)のへぎ板です。
一枚4,000円(税別)くらい、25枚入りで、写真に写っている一梱包で10万円くらいになります。

文化財に使用されるへぎ板などは一般住宅ではあまり需要がありませんが、この材料がないと文化財の修復などが出来ないのが現実です。
伝統文化を守るため、へぎ板などの作る職人さんには末永く技を継承していってほしいと思います。

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