みなさんこんにちは、建築家の松本勲です。
昭和26年当時に建築した平屋住宅の改修工事を行いましたので、今回はそのご報告を。
家主のお母さまが新婚当時に造られた住まいで、御子息様が住まいの管理をしていて
たまたまご縁があり、工事をさせていただくことになりました。
戦後間もない頃の建物とは思えないほど、今の住まいと同じ大きさの柱や材料が使われていて、
洋室などは大正時代のような佇まいです。
木製窓のガラスの固定にはパテで使われていて、
昭和20年代の仕様がどのようなものだったのか勉強になりました。
木製窓は70年過ぎても開閉ができ、欄間も使用できる状態です。
きちんとメンテナンスをしていると長く住み続けることが出来るのがよく分かります。
70年の間に何件かの建築業者が増築、改修を行っていていることが外壁の様子などから確認できます。
縦張り木製外壁の傷んだ部分だけを途中から切り、同じ大きさの板材を取り付けてあったり、
塗装業者だけの工事の際に、要らなくなった外部配線などをそのままの状態にしたまま塗装をしている などが見受けられました。
木製外壁を途中から継いだ部分は、
継いだところから雨水が染み込み新しくしたところが先に傷んでしまったりしているので、
今回は上から一枚の板で新規に張り直しをしました。
木製窓のガラス固定のパテは撤去し押縁で再固定、
外部の不要な配線などは電気業者に確認をしてもらいながら撤去、
板金屋根材は新規に葺き直しなど各業者に専門部分を施工してもらいました。
住まいのメンテナンスは一つの業種で終わらすことはなかなかできません。
各業者がチームとなって改修、メンテナンスをすることでより長く住み続けられると考えています。
これからも家主のお母さまが末永く住んでいただければと思っています。