みなさんこんにちは、建築家の松本勲です。
今回、昭和30年代の戸建て住宅の耐震改修工事の為に古い壁を交わしている最中に、今は見かけない穴あきラスボードが左官下地に使われるのを見つけました。
穴あきラスボードは、昭和20年代中頃から昭和40年代中頃まで左官工事の下地材として使用されていました。昭和40年代後半から使用されているラスボードには、穴あきのラスボードはなく左官材の石膏が引っかかる程度の凹みがある程度です。
平成から令和に入り和室自体が少なくなっていますが、左官工事による塗り壁は根強い人気があります。湿度調整機能のある珪藻土など、人気のある塗り壁材です。
写真は壁の解体中の写真で、ラスボードの上に下塗り、中塗り、仕上げ塗りの3工程の左官工事をしています。
(電気配線が下塗りの中に埋め込まれています。
現在の電気配線はあとから交換できるよう壁材の中に塗り込むことはなく、下地ボードを貼る前に配線工事を終わらせてあります)
近年ではラスボードを使用することも少なく、耐火石膏ボードの平らな表面に直接仕上げの材料を塗ることが出来るようになり、工事期間も以前に比べて短くなっています。
時代とともに使用する材料や施工方法は変わってきていますね。