みなさんこんにちは、建築家の松本勲です。
前回ご紹介した壁材の中から、今回は「珪藻土(けいそうど)」の壁の魅力についてお伝えします。
●魅力の一つ目は、『調湿性』です。
珪藻土の一粒一粒には、同じ大きさの木炭の、数千倍の穴があいています。
水分子は、ジトジトしていて湿度が高いときはより乾燥している方へと移動します。その結果、珪藻土の粒子に空いている穴に水の分子が吸着します。逆に、乾燥している時には吸着していた水分子が乾燥している方へと出ていきます。珪藻土には、こうして湿度を調整してくれる効果が期待できます。
●魅力の2つ目は、『脱臭』です。
部屋の臭いって、一度残ってしまうとなかなか消えませんよね。
珪藻土は、化学の現場では、物質の濾過助剤として用いられています。臭いというのは、空気中の水分子に溶けて広がります。珪藻土は、水分子を吸い寄せますので、水に溶けて広がった臭い成分を珪藻土が吸着します。珪藻土には脱臭の効果もあるのです。
●魅力の3つ目は、『独特な肌触り』です。
珪藻土の塗り壁は、表面が「ゆず肌」と呼ばれるブツブツゴツゴツした感じになります。
これは、好き嫌いが分かれるかもしれませんが、無機質なつるっとした表面よりも、視覚的にも触覚的にも、あたたかみを感じることができると思います。
次回は、もう1つのおススメ壁材「シラス壁」についてお話させていただきます。