みなさんこんにちは、建築家の松本勲です。
前回こちらのコーナーで、「襖」のお話しをさせていただきました。
日本の家に根付く襖や障子は、デザイン的にも機能的にも魅力の大きな建具ですが、
「汚れやすくお手入れが大変では・・・」と思う方も少なくないようです。
そこで今回は、襖や障子のお手入れのヒントを少し解説してみたいと思います。
襖や障子の手入れは、その性質上、水や洗剤を使用することは望ましくありません。
襖や障子の汚れはその大半が埃ですので、桟などに溜まった埃を取り除くことが基本的なお手入れ方法となります。
高いところから下に向かってハンディモップやはたきなどで埃を除いていき、
桟の隅など、埃が溜まりやすく手の届きにくい部分には、絵筆や綿棒などを用いると便利です。
また、敷居に埃が溜まっていると襖や障子の滑りが悪くなりますので、掃除機や雑巾などでこまめに掃除することも必要です。
建具の下に入り込んだ埃がどうしても取れない場合は、輪ゴムを襖や障子の下に挟み、何度か開け閉めを繰り返すことで埃が輪ゴムに絡まり、掻き出すことができます。
敷居を掃除しても、ふすまや障子の滑りが悪いという場合は、
滑りを良くする『スベリロー』という商品もあります。
これはその名の通り、ふすまや障子といった建具の滑りを良くする蝋で、気になる部分に塗るだけです。
さらに襖の引手に付いた手垢汚れは、消しゴムで手垢の部分をこすることで落とすことができます。
消しゴムは白くやわらかいものを用意するようにしてください。
また、普段から注意すべきポイントとして、カビの発生があります。
部屋の風通しが悪い、換気をしない状態でお鍋や焼き肉などを行うなど、湿気が溜まりやすい状態はカビ(染み)の発生に繋がります。
カビ・染みを予防するために、できるかぎり『湿気が溜まりにくい状態』を心がけてください。