みなさんこんにちは、建築家の松本勲です。
昨年、私の父が昭和56年に二階を増築したお客様からリフォームのご相談がありました。
お客様の年齢が70代後半になり、二階に上がり降りする生活が大変になってきているので、
一階に就寝のためのベッドを置いて、一階中心の生活にしたいというご要望でした。
昨年末からご相談をはじめ、建て替えるか、リノベーションするか、部分的なリフォームにするか、
いろいろとお話をしてきました。
建て替え、リノベーション工事になるとお客様に一度引っ越しをしていただかなければならないこと、
年齢、工事金額などを考慮すると、住みながらの部分リフォームがいいのではないでしょうか?
などという話をして、最終的に一階南側にある客間の和室2部屋の部分リフォームということになり工事を行いました。
昭和40年代の家のため、一階南側にある和室は来客用の部屋として作られていて、
普段は使用していないとのこと。当時は客間が必要という考えがありました。
客間としてほとんど使われていない部屋でしたので、
窓などは建築当初の木製ガラス戸で開け閉めが大変で、雨戸はほとんど閉めていないという状態。
今後のことを考えて、一階の窓は断熱サッシに交換して、和室の壁はそのまま残し、畳を床板に変えて廊下との段差もなくしました。
床の高さを廊下の高さと同じにしたため、既存の室内建具は高さが足りなくなったので新規に作り直し、和室の柱はきれいに洗い、壁は珪藻土に塗り替えました。
お客様の要望でガスを使用する温水式床暖房も設置し、工事も無事に終了しました。
半年以上打ち合わせをずっとしていたので、お客様の喜んでいる姿は私にとってとても感慨深いものでした。