みなさんこんにちは、建築家の松本勲です。
住まいの中で壁や天井のように広い面積を占めているフローリングは、空間イメージを決定づける大きな要素のひとつです。床に使う素材の素材感やデザインによって、住空間の印象が大きく変わりますので、住まいをコーディネートする際、フローリングは一番初めに仕様を決めることが多いといわれています。
木質フローリングのデザインには、フローリング材そのものの表面化粧で表現されるデザインと、フローリングの張り方(施工)で表現されるデザインがあります。
デザインバリエーションは多彩ですが、その中の代表的なものをご紹介します。
□乱張り(乱尺張り)
フローリング材の長さの違うものを組み合わせて張る方法。最も一般的な張り方です。
□りゃんこ張り(千鳥張り)
同じ寸法のフローリング材を、一定にずらして張る方法。半分だけでなく、尺でずらす場合もあります。りゃんこ(両個)は2個という意味です。
□すだれ張り
同じ長さのフローリング材を、巾方向の接合面を揃えて張る方法。天井の張り方にも見られます。
□斜め張り
壁に対して斜めに張る方法。壁面でも見られる張り方です。
□ヘリンボーン
ニシンの背骨の形に似ていることからヘリンボーンと呼ばれます。日本では杉綾模様、矢羽型とも呼ばれます。
□市松張り
正方形を交互に配した張り方。市松とは、江戸時代の歌舞伎役者、初代佐野川市松がこの模様の袴をはいていたことに由来します。
このほかにも、フローリングの張り方にはさまざまなデザインがあります。
天然木の表情もデザインの一部
また最近のインテリアトレンドでは、あえて木目や節をデザインとして採り入れ天然木の表情を活かしたものや、自然な立体感を残したもの、幅の違うものをランダムに組み合わせたものも登場しています。サイズや元々のデザインだけでなく、フローリングの節の多さや木目を生かしたカラーなどバリエーションはますます増えています。