西東京市の工務店 松本工務店

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「乾燥が大事」な木材の「含水率」の話

みなさんこんにちは、建築家の松本勲です。

以前もこちらのコーナーで、家づくりで使用する木材は「乾燥が大事」というお話をさせていただきました。
みなさんも目にしたことがあると思いますが、木材は環境によって反りや割れが発生することがあります。その原因は木材に含まれる水分量の変化。そこで今回は、水分量の計算方法や、水分の変化による反りや割れのメカニズムをご紹介します。

●含水率とは

木材に含まれる水分量を「含水率」と呼びます。「乾燥後の重量」に対してどの程度水分を含んでいるかを示すもので、含水率が100%を超える場合もあります。
一般的に使われる「体積」に対する水分量(湿量基準含水率)とは異なり
「(木材の乾燥前の重量(g)-乾燥後の重量(g)) ÷ 乾燥後の重量(g) ×100」
で、木材の含水率は計算します。

例)含水率10%の場合
重量1100gの丸太を乾燥させて1000gの乾燥丸太になった場合、乾燥丸太の中に100gの水分が含まれてい他ことになるので、含水率は10%と計算されます。
(1100g-1000g)÷1000g×100=10%

例)含水率150%の場合
水分を多く含む樹種では、伐採直後の含水率が150%程度に達する場合もあります。
例えば、重量250kgの丸太を乾燥した際に、100kgの乾燥丸太になったとします。100kgの乾燥丸太の中に150kgの水分が含まれていたため、含水率は150%と表現されます。

●木材の含水率の変化

木材に含まれる水分には、木材の細胞の隙間に存在する「自由水」と、細胞壁の内部まで入り込んでいる「結合水」があります。木材から水分が抜けるときには、まず「自由水」が先に抜け、その後に「結合水」が抜けていきます。
木材の反り・割れ・ねじれなどが発生するのは、含水率が約30%よりも低下して「結合水」が抜け始めるときです。
伐採直後の木材は、「生材」という「自由水」と「結合水」がたくさん含まれている状態です。その後、抜けやすい「自由水」が抜けきった状態が「繊維飽和点」と呼ばれます。
さらに屋外に長期間放置しておくと、安定した「気乾状態」になります。木材に含まれるすべての水分が抜けきると「全乾状態」と呼ばれます。

●なぜ木材を乾燥して使うの?

使用後に含水率が大きく変化して反り・割れ・ねじれが発生すると困ります。そのため、木材を環境に合わせた含水率に仕上げてから加工することで、使用するときの不具合を防げます。日本では地域によって異なるものの、木材を長期間放置し乾燥させると、含水率が約15%になると言われています。
室内環境の場合はさらに低くなると想定されていて、フローリング用に使用される木材の含水率は10%程度になっています。

私たちが木材の選定で一番気を使っているのも、木材の乾燥具合です。
「含水率」を確認して木材を選ぶわけですが、木材の乾燥方法にもいろいろあり、高温急速な乾燥方法だと木材の内部に割れが入ったり、木材の中心部分まで乾燥していないことがあります。含水率だけでなく、乾燥方法も考慮して木材を選ぶことが大切です。

私たちが“夢ハウス”のパートナーとしてその商品を取り扱っているのも、その「乾燥技術」の素晴らしさに理由があります。

2002年特許を取得した夢ハウスオリジナル木材乾燥機「ドライランバー」は、乾燥機出庫時の計測で内装材で5%以下、構造材で10%以下の含水率基準で乾燥させています。
暖房機器の発達、高断熱高気密住宅の浸透にともない、過酷な室内環境でも木材の変形を極限まで抑えることために、JAS基準よりも厳しい基準をクリアした材料で住まいづくりに取り組んでいます 。

実は夢ハウスのホームページでは、市販品の床材と夢ハウスの乾燥材を使い、同条件下で収縮実験を行った結果も公表しています。

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