みなさんこんにちは、建築家の松本勲です。
住まいづくりを検討する際、皆さん基本的に、現在の暮らしを中心に間取りなどを検討します。でも、同じ家の中でもライフステージによって住まいのあり方は変わってきます。特に、これから子育てをしていく若いファミリーでは、これからの暮らしの中で住まいに必要な機能は大きく変化します。その代表的な空間が「子ども部屋」です。
子ども部屋はいつから必要なのか、考えたことはありますか?
みなさんは実際に、いつ頃から子ども部屋を与えているのでしょうか。
東京ガス都市生活研究所の調査レポート「家で子どもが過ごす部屋~子どもの過ごし方と親子それぞれの意識」には、そのヒントとなる調査結果があります。
こちらは小学生から高校生までの子どもとその親を対象にした調査ですが、小学校低学年で半数以上の子どもが「自分だけの部屋」もしくは「他の兄弟姉妹と一緒の部屋」を持っています。
これが高校生になると、8割近くが「自分だけの部屋」を持っていると答えていました。
また同調査では、小学校低学年で現在子ども部屋がない場合でも、約6割が「将来子ども部屋にする予定の部屋がある」と答えています。
出典:東京ガス都市生活研究所レポート「家で子どもが過ごす部屋~子どもの過ごし方と親子それぞれの意識」
ただし、子ども部屋があっても、実際に使っているのかとなると、年齢によって大きく違うようです。 特に小学生の頃は、寝る時間以外ほとんど使われていないようです。
では、子どもたちがどこで長い時間を過ごしているのかというと、親への「夕食後の時間に子どもがいる部屋」のアンケートでは、小学生では9割以上がリビングで過ごし、最も少ない高校生でも男子は5割強、女子は約7割がリビングで過ごしていると答えています。
「居心地がよい部屋」という別の設問でも、小学生では約8割、最も少ない高校生でも、4割強の子どもが「リビング」と答えています。
その理由としては、「家族がいるから」と答えた子どもが小学生では9割近く。また「親と話ができるから」と答えた割合も、小学生では半数近くにのぼりました。
まだ小学生のうちは、子どもが部屋で一人ぼっちで過ごすのは、ちょっと「寂しい」ことなのかもしれません。
小学生のうちは、自分専用の子ども部屋がなくても特に問題はなく、むしろ「家族と一緒に過ごしたい」「親に見守っていて欲しい」「家族と話がしたい」という気持ちを大切にして、家族で過ごせる「リビング」をどう作るかを考えてみるのが良いかもしれません。
住まいでの過ごし方は、ライフステージによって変化していきます。家を建てる時にはそういったことも考えて、長く快適に過ごせる空間づくりを考えていきたいですね。