みなさんこんにちは、建築家の松本勲です。
古くなった家を建て替えたい。それなら、せっかく土地があるのだから二世帯住宅に。
そんなご要望をよく伺います。
二世帯住宅の良いところは、もともと土地があるので建物のみの費用で済み、子世帯に子供が出来た場合はいろいろと親世帯に見てもらえるという利点があります。
また親世帯が高齢になってきたときに、一つの家に住んでいるので親の生活状態の確認がいつも出来るということもあると思います。
では、実際に二世帯で暮らしていらっしゃる方は、どんな点に魅力を感じていらっしゃるのでしょうか?
ある調査をご紹介してみたいと思います。
こちらの表は、東京ガス株式会社都市生活研究所の「二世帯住宅に住む親世帯と子世帯の交流実態と意識」という調査。
12歳以下の子・孫がいる世帯に絞り、二世帯住宅における子育てや家事の実態と意識から、親世帯・子世帯それぞれにとっての二世帯住宅の価値を調査したものです。
住宅費という経済的なメリットも大きいのですが、それ以上に、家事などの便利さ、お互いの「安心」や暮らしの中での「喜び」に、二世帯で暮らす魅力を感じていらっしゃる方が多いようです。
夫婦共働きが普通になり、家族が支え合って暮らしていくことが重要になっていく中、これからも二世帯住宅を検討される方が増えていくかもしれませんね。
さて、ひとくちに二世帯住宅といっても、ご家族のライフスタイルや生活時間、親と子の考え方の違いなどによって理想となるプランは変わってきます。
基本的なパターンだけでも、下図のように4パターンくらいが考えられます。
【A】 リビングなどを共有するタイプ
しっかりとそれぞれのプライベートを分けられるスペースを持ちながら、キッチン、リビングなど一部を共有するタイプ。
共有する部分が多い方が費用を抑えられるというメリットはありますが、水回りなど、何を共有して何を分けるのか、遠慮をせずに納得いくようすり合わせることがポイントです。
【B】 1階は親世帯・2階は子世帯のタイプ
親世帯を1階、子供世帯を2階として、上下で住み分けるタイプ。それぞれが平屋感覚で、居住スペースをゆったりと設けることができます。
注意すべきポイントは、上下階で音への配慮が必要になること。それぞれの生活のリズムや動線を考えて居室を配置したプランのご提案のほか、床材の選定や遮音材などによる音の軽減のご提案をしています。
【C】 同じ条件で2つに分けるタイプ
玄関だけは同じで、隣り合わせで暮らすタイプ。それぞれに1階2階があることから、住まいに戸建て感覚が生まれ、また採光や通風などの条件を平等にクリアできます。
ポイントとしては、左右の分け方のバランスへの配慮が必要になること。住まわれる世帯で必要と考える居住面積をお聞きした上でプランニングします。それぞれの1階・2階のバランスを考慮したご提案をしています。
【D】 2つの住まいがくっついたタイプ
敷地を分割するように、玄関も分かれた2つの家がくっついているようなカタチで、お隣さん感覚で住み分けるタイプ。お互いにプライバシーが守られ、気兼ねなく生活しながら、変化する将来の状況への対応のしやすさがあります。
ライフスタイルや価値観の違う親世代と子世代が、お互いの暮らしを尊重しながら快適に暮らしていくためには、それぞれのご家族に合わせたしっかりしたプランが必要です。
松本工務店は、それぞれのご家族にぴったりの同居スタイルをご提案いたします。