みなさんこんにちは、建築家の松本勲です。
前回、無垢材と光の関係についてお話させていただきましたが、今回も「目に優しい」というお話を。
実は、私たちがよく目にする木材の「木目」の模様は、人にやすらぎをあたえる効果をもっています。それは、広くなったり狭くなったりする木目の間隔に「1/fゆらぎ」と呼ばれるゆらぎが存在しているからです。
「1/fゆらぎ」とは、ろうそくの炎やそよ風、小川のせせらぎなどのさまざまな自然現象の中に発見された「不規則さと規則正しさがちょうどいい具合に調和しているリズム」のことを指します。
例えば、直線を等間隔で並べると幾何学的な冷たいイメージになりますが、直線を不規則に並べるとぬくもりのある雰囲気がでてきます。
人の脳波の揺らぎも精神的に安定な状態にあるときは、同様であることがわかっています。このように、人の体のリズムも「1/fゆらぎ」となっていることから、「1/fゆらぎ」は人に快適感を与えると考えられています。
前回お話したように、人に有害な紫外線を吸収し、体を温める赤外線は反射してくれる無垢材。
そして、木目がもつ「1/fゆらぎ」が心やすらぐ効果をもたらしてくれる無垢材。
このような、視覚的にも人を癒してくれる目に優しい無垢材を、ぜひ住まい作りに取り入れてみてはいかがでしょうか。