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「高層ビルを木造でつくる」ニュースについて

みなさんこんにちは、建築家の松本勲です。
今回はちょっと住宅の話から離れて、「木造高層ビル」についてお話してみたいと思います。

というのも、先日テレビを見ていたら、高さ100メートルの「木造高層ビル」が東京・丸の内に誕生へ、というニュースを目にしました。
東京海上ホールディングスが、東京・丸の内の本店ビルを木材の使用量が世界最大規模となる高さ100メートルのビルに建て替えるというもので、柱や床などに木材をふんだんに使った木造ハイブリッド構造による高層オフィスビル。2028年度に完成する予定とのニュースでした。

「木造高層ビル」については、過去には2018年に住友林業が70階建ての「木造ビル構想」を発表しています。
2041年までに都内に木材を主部材とした超高層ビルを建設する構想で、建築予定の建物の大きさは高さ350メートル、地上70階建て。木で大型建築を建てるためには、耐火部材の開発などが必要になりますが、芯まで燃え尽きないように、3時間耐火の認定が取れる木質部材の研究を同社内で進めるとしています。

また2020年には、三井不動産と竹中工務店が「国内最大の木造オフィスビルを東京・日本橋に建設」という計画も発表されています。こちらは高さ約70メートルを想定。2023年着工、25年の完成を目指すということでしたから、近々着工のニュースを目にすることになるかもしれません。

こういった「木造高層ビル」が計画される背景には、森林資源の有効活用やCO2排出量削減などがテーマとして取り上げられています。建築資材に木材を使用することで、同規模の一般的な鉄骨造オフィスビルと比べて、建築時のCO2排出量を約20%〜30%削減する効果があると言われています。

ちなみにすでに実現している建物としては、今年5月に、11階建て・高さ44メートルの “国内で最も高い”木造高層ビルが横浜市中区に完成しています。
柱や、はりなどの主な構造物は木材だけで作られていて、建築を手がけた大林組によると、現在の国の耐震基準のもとで主な構造物が木材だけの「純木造」のビルとしては最も高い建物ということです。

松本工務店のインスタグラムつながりの株式会社ワークスコア @kondou5559 さんは7月29日に、隅研吾氏が「銀座に森が出現したイメージ」もとにデザインをした銀座木造ビル(地上12階建て、耐火木造ビル)を投稿されています。
たまたま同じ日に 株式会社鳥取CLT @tottori_clt_coltd さんも、木の板を繊維方向に直交する様に接着した木質系材料CLTで作られた タカハマカフェという木造の建物を紹介されています。

改めて「木造の魅力・メリット」が注目されるこういったニュース。
住宅とは別の世界の話ですが、これからもチェックしていきたいと思います。

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