みなさんこんにちは、建築家の松本勲です。
今回から数回に分けて、壁で使用する材料についてお話させていただきたいと思います。
まず、無垢の木の家でよく使われる4種類の壁材、クロス・珪藻土・シラス壁・漆喰について簡単にお話します。
【クロス】
壁の仕上げ材として最もなじみがあるのは、やはりクロス(壁紙)です。
クロスの特徴は、なんといっても色柄が豊富なところ。居室ごとに色柄を変えたり、部分的なアクセントとして個性的なデザインのクロスを使ったりと楽しむこともできます。そして何より、費用が一番抑えられるのがクロス。貼り替えがしやすいということも、便利な特徴のひとつです。
【珪藻土】
自然素材の塗り壁材として人気の珪藻土。珪藻(けいそう)という藻類の一種の化石が積み重なって堅くなった土で、主成分は二酸化ケイ素。調湿機能、消臭機能が特徴です。
仕上がりはザラザラしたテクスチャーで、左官の仕上げ方によって独特の風合いを演出できます。塗り壁の中では色のバリエーションも多く、自然素材らしいやわらかな色合いに加えて赤・黒・グリーンなども選べます。
【シラス壁】
シラスは火山から噴出したマグマが岩石となる前に粉末になったもので、主成分は珪酸。珪藻土同様に調湿機能、消臭機能があります。
珪藻土同様にシラスを左官材にするためには混ぜものが必要ですが、シラス壁はその混合材も100%自然素材。費用は珪藻土より高めです。
【漆喰】
漆喰は伝統的によく使われてきた左官材で、主原料は石灰石からつくられる消石灰。主成分は水酸化カルシウムで、吸水・吸湿という特性を持つのでやはり調湿性があります。二酸化炭素を吸うと硬化するという特性もあり、壁材としても塗ってから年月が経つほど固くなっていきます。
漆喰は珪藻土やシラス壁と異なり、表面をつるつるに仕上げることができますが、職人の腕の差が出やすいので注意が必要です。
さて次回は、これらの壁材の中から珪藻土についてもう少し詳しくお話したいと思います。