みなさんこんにちは、建築家の松本勲です。
前回からこのコーナーで「木の家の優れた特徴」をご紹介していますが、今回は「断熱性」と「調湿性」についてお話させていただきます。
まず、木には高い断熱性があります。
木の細胞には多くの空気を含まれていて、外からの空気が床に伝わりにくいからです。
そのため、夏は涼しく、冬は暖かい環境をつくり出します。
木の熱伝導率はコンクリートの10分の1、鉄の500分の1しかありません。
この低い熱伝導率が、木独特のほどよいぬくもりを生み出しています。同じ表面温度でも、触れた時に木の方が暖かく感じるのは、この熱伝導率のためなのです。
また木の壁や骨組は、断熱材と合わせて優れた断熱性能を発揮し、夏は外の熱気を伝えず、冬は室内の快適温度を逃がさない効果があります。木の家には熱を上手にコントロールできるメリットがあるのです。
そして、もう1つのポイントは「湿度」。暮らしの快適さはこの「湿気」で大きく左右されます。
いくら温度を調節しても、湿度が高い室内では快適さが感じられません。また、結露を発生させたり、カビやダニを発生させるなど衛生面でも人に影響を与えます。家での暮らしを快適なものにするには、この湿気を調節することが重要です。
人が快適だと感じる湿度は一般的に40~60%ですが、木の家は湿度を一定として50%前後に保つことができます。木材は湿度が高い時は室内の湿気を吸収し、乾燥すると水分を放出し、室内を一定の湿度に調整するという特徴を持っているからです。こうした機能は、自然素材である木ならではのものなのです。
まさに木の家は、雨の多い日本の風土に最適な住宅。
快適な暮らしのためには木が一番!と自信を持っておススメしています。