みなさんこんにちは、建築家の松本勲です。
住まいづくりをする際に、お客様にご要望を伺っていると、「お庭にウッドデッキを置きたい」という声をよく聞きます。
そんな時、ウッドデッキをプランしていくためにまずお伺いしているのが「ウッドデッキで何をしたいですか?」ということ。場所やカタチや素材を検討する前に、ウッドデッキがあることで叶えたい暮らしがどんなものなのか、これからの暮らしについてお話いただくようにしています。
>洗濯物を干すスペースとして。
>子供たちやペットの遊び場として。
>バーベキューや水遊びなどのアウトドアリビング空間として。
>和室から庭に向かう濡れ縁やステップとして。
使い方は住まう人の数だけあるはずです。せっかく設置するならば、デッキそのものも、デッキのある空間もすべてを楽しめて存分に活用できるようにしたいですよね。
ですから、出来る限り具体的に、日常生活の延長線上としてどんな使い方が実現できるかを考えてみてください。
ウッドデッキを設置することで、家の延長であり、お庭の延長でもある中間領域が生まれます。この屋内空間と屋外(庭)空間をつなぐ部分を「ミッドテリア」や「アウトドアリビング」と呼びます。屋内でも屋外でもある、両方の良いところを感じられる場所だからこそ、普段使いも少し特別な日常を演出することもできます。
「家の中でもできるし…」ではなく、「あえて外で楽しむ」ことが生活に豊かさを与えてくれるヒントかもしれません。
さてここで、ウッドデッキの素材についても少し触れておきたいと思います。
ウッドデッキは大きく「人工木」と「天然木」の2つの素材から選びます。
人工木は、腐らず丈夫で退色もあまりしないので、メンテナンスの手間が少ないというメリットがあります。昨今では自然の木肌に似せた商品も発売されています。
これらは「樹脂デッキ」と呼ぶこともあるように樹脂と木粉でできており、各メーカーで商品が発売されています。人工木には、天然木を使用した際に懸念される雨風や害虫による被害の心配がないことと、安定した耐久性の高さがあります。
一方で天然木は、何と言っても自然素材ならではの雰囲気が一番の魅力です。
腐食や痛みなどを気にされる方もいらっしゃいますが、「エコアコールウッド」のように防腐処理がしっかりしてある材料もあり、雨風にさらされても長く腐らずに使用できます。
もちろん、人工木でも天然木でも、日常のメンテナンスは重要。
次回はウッドデッキのメンテナンスについて取り上げてみたいと思います。