みなさんこんにちは、建築家の松本勲です。
せっかく家を建てるのなら、庭のある家を作って生活してみたい。
そう考える方も多いと思いますが、日本の住宅はどうしても敷地面積が小さく、建物内部が手狭になりがちなので、なかなか庭を作るスペースまで確保できないという場合も少なくありません。
そこで、そんな日本の住宅事情に合うかたちで、癒しや日本的な風情たっぷりの空間を演出できると注目されているのが「坪庭」です。
坪庭とは、周りを塀や垣根で囲われた小規模な和風の庭のことです。
家の中庭や玄関脇などのスペースに配置され、垣根や塀で囲われたなかに草木や竹、灯篭や飛び石、鹿威しなどの装置やオブジェを、趣向を凝らして配置します。
そんな坪庭を取り入れることは、暮らしに様々なメリットをもたらせてくれます。
●明かりを取り入れやすい
坪庭は、周りを建物に囲まれた家や、建物の構造的に光を取り入れにくい家などに、明かりをもたらす効果があります。坪庭は小さな中庭としての機能があるため、庭の周囲に壁面が増えることで、窓や縁側の空間などの開放空間をもたらすことができるのです。
このため、坪庭を中心に家の中へさまざまな方向から明かりを取り入れやすくなります。窓の位置や数、坪庭のオブジェの種類、配置などによって光の量を調節することも可能です。
●通気性が良い
坪庭の重要な機能性のうちのひとつが、通気性です。もともと風通しの悪い京町家で取り入れられたのは、風の通り道を作ることと採光のためでした。現代でも坪庭は民家の入口近くや、風の通る場所に配置されることが多いようです。
小さな中庭として機能すれば窓が増えるので、通気性や採光の点でも大きなメリットを得られます。
●開放感がある
坪庭には狭小空間を広く見せるという効果を期待できます。部屋の延長として坪庭が目に入ることで、視覚的な広がりを感じられ、小さな部屋であっても開放感のある空間となります。
また、坪庭を中心に「コの字型」に部屋を配置しておけば、広がりを感じさせながらもそれぞれの部屋同士の距離感が程よく保たれるので、圧迫感なく家全体が視野に入る家の構造を作ることが可能です。
●景色を楽しめる
坪庭は景観としての機能を持つので、四季折々の草木や花などを植えることで、四季の移り変わりを目で楽しむことができます。
和風だけでなく、ウッドデッキを置いたり、洋風のガーデニングスペースにしたりと、自分たちの好みに合ったイメージの空間を作ることも可能です。
●安全な子供の遊び場にできる
坪庭を囲んで部屋の配置をレイアウトすれば、お互いの部屋同士でのコミュニケーションがとりやすくなる点もメリットです。
また、子どもの遊び場として最適。外で遊ばせるよりも安全ですし、小さなプールを置いたり、バーベキューをしたり、ペットとの遊び場にしたりと、家のなかで手軽に遊べる場所としても非常に有効です。
ご紹介したメリットからもわかるように、坪庭は建物を一体となった設計が必要です。
住まいづくりの際、間取りと合わせてご提案させていただきますので、
一軒家にはやっぱり庭!という方はぜひ松本工務店にご相談ください。