西東京市の工務店 松本工務店

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和の空間を豊かに彩る「床の間」の魅力

みなさんこんにちは、建築家の松本勲です。

今回は、和室に豊かな表情を加えてくれる「床の間」についてお話したいと思います。
床の間とは、和室の一角に作られた畳より一段高くなっている部分のことをいいます。
床の間を構成する要素にはそれぞれ名前がつけられていて、使用されている木材は床板、支えとなる柱は床柱(とこばしら)と呼び、他にも床框(とこがまち)や落とし掛けなどがあります。

しかし一口に床の間と言っても、その様式はさまざまです。
ここでまず、床の間の種類についてご紹介しましょう。

●本床(ほんどこ)
和室の伝統的な形式に則ってつくられた、本格的な床の間の代表的な様式です。床板に床框を取り付けて、一段高くしたもので、床柱を立て、小壁の下に落し掛けを設けます。

●蹴込床(けこみどこ)
床框をつけず、床板の下に蹴込板と呼ばれる、階段の踏板と踏板の間に垂直に立てる板を取り付けて、一段高くしたもの。格式高い本床に比べ、簡易なつくりです。

●織部床(おりべどこ)
床板がなく、廻縁に20cmほどの化粧板を付け、掛け軸などを飾れるようにしたもの。簡略な床の間の様式の一つです。

●踏込み床(ふみこみどこ)
畳の一部分だけ素材を変えて床の間にする様式。床と高さが変わらない床の間です。

●置き床(おきどこ)
移動可能な床板を置くというフレキシブルな形式の床の間。 「床の間を気軽に楽しみたいという人に人気の様式です」

ここに挙げた代表的なもの以外にも、いろいろなパターンの床の間があります。

床の間は、和室に取り入れることで空間に広がりを持たせることができます。
もちろん装飾の空間として、目で見る楽しみを作ることがきる、言って見ればディスプレイスペース。
お子さんがいらっしゃるご家庭では、兜飾りや雛人形を置くスペースとしてもぴったりです。

床の間は、格式高いイメージとは裏腹に、自分の求めるものに合わせて意外と自由な発想でつくることが可能な空間です。

まずは自分のライフスタイルに合った和室の活用法を考えてみる。
和室の使い方がイメージできれば、床の間をどのように使うかもおのずと見えてくるはずです。

和室自体を持たない住宅も増え、床の間を備えた和風建築は貴重なものとなりつつあります。
日本独特の風情を感じさせる「床の間」を、ぜひ考えてみてはいかがでしょうか。

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