みなさんこんにちは、建築家の松本勲です。
今回は住宅の基礎のクラック補修についてお話をさせていただきたいと思います。
基礎のクラックの多くは、床下の空気の循環のために設けられている風窓の角に発生します。
クラックには基礎のコンクリート部分が割れるクラックと、
コンクリート基礎の表面に化粧のために塗ってあるモルタルのクラックの2種類があります。
表面のモルタルだけが割れているかコンクリート基礎自体が割れているか判断するには、
室内側の基礎には化粧モルタルを塗らないため、
家の床下からクラックが入っているかを見れば分かります。
基礎が割れる原因にはいろいろありますが、家の重さにコンクリートの強度が耐えられなかった、コンクリートに鉄筋が入っていなかった、土地の一部が沈んだなど・・・。
ご自分で判断が出来ない場合は、ホームインスペクターや建築士に相談してください。
次からの写真はクラック補修の一例をご紹介いたします。
築30年くらいの建売住宅で、住んでいる方が心配して松本工務店に連絡がありました。
床下からの目視で基礎自体のクラックと分かり、補強専門業者と共に工事を行いました。
写真は風窓付近のクラックです。
基礎のクラックに低圧でエポキシ樹脂を流しこむための器具を取り付け、
一日がかりでゆっくりエポキシ樹脂を流しこみます。
次の日にこの器具をはずしてから外側を補強します。
樹脂モルタルを塗ります。
樹脂モルタルの上に補強メッシュシートを貼り付け、
最後に基礎用防水塗料を塗って補強工事が完了いたします。
2日~3日くらいの工事になります。
耐震工事の際にもこのような基礎補強工事を行う事があります。
この工事は基礎のクラックがこれ以上大きくならないようにするための工事で、
実際に基礎自体が水平に戻る工事ではありません。
基礎が大きく割れて下がった場合は基礎の下を掘り、
ジャッキアップして水平にする方法などがあります。
また改めて、ジャッキアップの工法もご紹介したいと思います。