西東京市の工務店 松本工務店

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犬にも「専用の部屋」は必要なのか?

みなさんこんにちは、建築家の松本勲です。

最近では犬を飼うときは、部屋飼いが一般的になりました。特に都心では、大型犬でも家の中で飼っている方が多くなりましたね。
これから注文住宅を建てる人のなかには、犬も家族も快適に暮らすにはどうすればいいのか、例えば「犬専用部屋は必要なの?」と悩んでいる人もいるのではないでしょうか? 

寝床やトイレ、食事スペースなどがある、一般的に「サークル」で確保されるような犬専用のスペースは、人が個室を持つのと同じで必要なものです。自分が何をしても、とがめられることなく自由に過ごせる。そういった専用の空間が必要なのは、犬も人間も同じだからです。

スペースをどこに設けるかはご家庭によって異なりますが、空間事情からリビングにサークルを置くケースが多いと思います。
サークルの入口は閉め切らず、通常は自由に出入りできるようにしておきます。サークルはあくまで犬が安心を求めて「自ら」入る場所であり、犬を閉じ込めるための場所ではないことを、まずは理解しておきましょう。

敷地に余裕があれば、犬専用部屋をリビング近くに設けるとベターです。
リビングは家族のパブリックスペースでもあるため、狭い場合は犬が落ち着けません。またリビングにはダイニングテーブルやソファ、テレビなどがありごちゃごちゃしがちです。その結果、犬が自由に遊ぶ空間が限られ、さらに悪気なくものを触ることで怒られる機会が増えてしまいます。

かといって、犬がものに触れないよう、常に整理整頓するのは人間にとってもストレスになりがちです。そのため余裕があるのであれば、犬が安心して過ごす、犬専用スペース(サークル)が配置された、家族と楽しく触れあえる「犬専用部屋」をリビング近くに設けると理想的です。

そんな犬専用部屋を設けるときのポイントとして、次のようなことがあります。

●玄関や道路前の窓などから遠い場所に置く
犬は警戒心が強く、知らない人が訪問するとそれを家族に知らせなければならないと感じ、吠える習性があります。そのため犬専用部屋を置くときには、玄関や人が通る道路に接する窓など、外部からの刺激を受けやすい場所から遠ざけることが大切です。

●家族が集まる場所の近くに置く
犬が家族の一員として安心して過ごせるようにするには、犬専用部屋は家族の様子がよく見えて、気軽にいつでも触れあえる、リビングダイニングの横に設けるのがおすすめです。

●掃除しやすい床材の上にクッション性のあるマットなどを敷く
犬専用部屋の床材は、滑りにくくて防水性が高く、掃除しやすい素材を選びます。条件を満たすペット用のフローリングもあるので検討するとよいでしょう。ひんやりして気持ちがいいタイルを選ぶのもおすすめです。
さらにその上に、犬がジャンプしたり遊んだりするときに滑って足腰を痛めないよう、ラグやクッション性のある素材のマットなどを敷くようにしてください。タイルカーペットのように、部分的に洗ったり交換したりできるタイプを選ぶのがおすすめです。

「芝生の庭」に憧れるけど

みなさんこんにちは、建築家の松本勲です。

マンションでなく戸建て住宅を選ぶ方にとって、その理由に「庭が欲しいから」と挙げる方は少なくありません。「できるなら芝生の庭にしたい」と憧れる人も多いようです。
一方で、芝生を張ると管理が大変そう・・・と躊躇している人もいらっしゃるのでは?
今回は、芝生の庭を実現するポイントを少しお話してみたいと思います。

庭に植える芝生の種類としては、最も多いのがコウライシバとヒメコウライシバです。
この2種類は日本に自生する日本芝で、手に入りやすくて丈夫という特徴があります。造園会社などで使用するのも主にこの2種類です。どちらもA4大のマット状になって流通しています。
コウライシバは葉っぱが太めで硬く、ややワイルドなイメージ。ヒメコウライシバは、葉っぱが細く繊細なイメージです。

芝生の庭に憧れる人が多い理由としては、まず一番は、芝生の緑によって景観が良くなること。また、芝生がクッションの役割を果たすことで、裸足のまま地面を歩けるほど柔らかくなるので、小さい子どもや愛犬を遊ばせるのに最適ということもあります。初期コストも、人工芝より天然芝の方が低く抑えられます。

芝生に適した庭の立地や土壌はどうなのでしょうか?
芝生に適しているのは、日当たりと風通しの良い立地です。特に日当たりは、春から秋にかけて、最低でも午前中いっぱいは直射日光が当たることが生育の条件です。日が当たり過ぎて問題になることはなく、西日が当たっても大丈夫です。
芝は根が浅い植物なので、表面の土が良ければうまく育ちます。土壌に関して大事なのは水ハケです。逆に水ハケさえよければ、砂っぽい土でも育ちます。

では、芝生の庭を作るとき、どんなところに注意すればいいのかでしょうか。

コウライシバやヒメコウライシバは、A4大のマット状になっているので、カーブや細かいところを切り取って形を自由に作ることができます。石やタイル、木など、さまざまな素材を使ったテラスやアプローチと組み合わせて、自由にレイアウトできます。特に、レンガや天然石などの自然素材がおすすめです。

そしてマット状の芝生は、マットとマットの間に3cmくらいの隙間を空けて張ります。隙間を空けないと、根が張ったときに境目が盛り上がってしまうからです。少し隙間を空けることで、仕上がりがフラットになります。また、境界のラインが目立たないように、芝マットは交互に列をずらして張るのがポイントです。隙間は、条件が良ければ1年程で埋まります。

ところで、「芝生は管理が大変」とお話しましたが、実際どのように管理していくのでしょうか?

まず、コウライシバやヒメコウライシバは植えた後、根付くまでが非常に重要です。芝生を張って新しい芽が3cmくらい伸びたら、伸びた分だけ刈って栄養を根に送るようにします。最初の1年は上を育てるよりも根っこを重点的に育てます。
芝刈りには、一般的な芝刈り機のほかに、バリカン式芝刈り機、サッチ用レーキやエアレーター等を使用します。

2年くらい経てば、隙間も埋まって根も育ってくるので、5cmくらい伸ばしても大丈夫です。
目安として、4月~6月、9月~11月は月1回、7月~8月は月2回ほど芝刈りをするといいでしょう。

芝生の庭の大変なところは、この手入れにあります。芝刈り、水やりなど、年間を通してやることがたくさんあります。
でも、そういった手間も含めて楽しむ。そんな気持ちが大事かもしれません。

「和」を取り入れた「ジャパンディスタイル」が海外で人気です

みなさんこんにちは、建築家の松本勲です。

ジャパンディ(Japandi)という言葉を聞いたことがありますか? これは、2020年頃から海外で流行し始めた和と北欧が融合したインテリアスタイルのことです。海外では「Japandi」と表記され、「Japanese」と「Scandinavian」が交ざった造語になります。

日本ではまだ馴染みがないかもしれませんが、今後さらなる流行が期待されています。

日本と北欧の住宅文化が調和したシンプルでスタイリッシュなデザイン、そして自然素材を使っているということがジャパンディの大きな特徴です。

ジャパンディスタイルを住宅に取り入れるには、いくつかのポイントがあります。

●内装はニュアンスカラーでまとめる

内装のカラーは、ニュアンスカラーを使うのがおすすめ。複数の色味が混ざったような曖昧な色と言われるニュアンスカラーは、どんな素材とも合わせやすく飽きのこないカラーです。

例えばフローリングの色を選ぶ際も、比較的明度が高く、彩度の低い暖色系の色がおすすめです。

アクセントカラーを入れるときは緑やブラウンなど自然界にある落ち着いた色にします。

●自然素材を取り入れる

色と同じくらい、使用する素材も重要なポイントになります。ジャパンディの空間では人工的につくられた素材よりも無垢材や珪藻土、畳など自然素材を中心に使います。

壁や床以外にも、家具に自然素材を使ったり、観葉植物で緑を取り入れる方法もあります。麻や籐(ラタン)、和紙、竹、石などでもジャパンディな雰囲気を演出できます。

●インテリアのバランスは和:北欧=3:7が理想

ジャパンディスタイルのインテリアは、和風の要素が3割、北欧風の要素が7割の3:7の比率が理想的と言われています。例えば小物などを和風に、家具など大きなものを北欧風にするとちょうどよいバランスになります。

●例えば、和紙の照明器具を取り入れてみる

柔らかな光が特徴的な和紙の照明器具は、ジャパンディのスタイリッシュな空間に温かみをプラスしてくれます。天井に取り付ける提灯型のペンダントライトや床置きの間接照明なども空間をおしゃれに演出するアイテムとして人気です。

現代の日本では、生活様式自体が西洋式になり、住宅も北欧などのデザイン、インテリアが人気です。

一方で、このジャパンディのように、海外では和のデザインが注目されています。

いま皆さんがお住まいの家でも、ちょっとしたリフォームやインテリアのチョイスで和の要素を取り入れてみると、さらに心地よい空間が生まれるかもしれません。

「あらわし梁」で空間を個性的に演出する

みなさんこんにちは、建築家の松本勲です。

木造住宅の内装の手法の一つに、「あらわし梁(はり)」と呼ばれるものがあります。

あらわし梁とは、通常であれば天井で隠されてしまう構造躯体である梁を、あえて見せる仕上げのことです。時計でいえば内部の歯車などが見える「スケルトン」のように、わざと構造を見せることでデザイン性の高い空間を作り出すことができます。

そもそも「梁」は、柱の上に水平に渡し、2階の床や屋根を支える役目がある主要な構造材。

かつての日本家屋では、樹齢何十年にもなる立派な木材が梁に使われることも多く、意匠性の高さも相まってその家の価値を表すような存在でもありました。

近年の住宅では、梁の下に天井が張られ、見えなくなっていることがほとんどです。

しかし一方で、そのデザイン性からあえて隠さない「梁見せ天井」にするつくりも根強い人気を得ています。

この「あらわし梁」には、高天井や吹抜けのような空間で梁全体を露出させる手法と、天井高を少し上げて梁の一部だけを見せる手法があります。

あらわし梁を取り入れる魅力としてあげられるのは、何より個性的でおしゃれな空間になること。

梁を隠して天井を張り、クロスなどで仕上げるとすっきりした印象になりますが、梁を見せて立体感を出すと、構造がもつ力強さが感じられる個性的でおしゃれな空間演出が可能です。

また、室内にいると見上げた空間に木が現れるため、ナチュラルで温かな雰囲気を演出しやすくなります。

木の温かみを感じられる空間にするための、とても効果的な手法ですので、住まいづくりの際はぜひ検討してみてはいかがでしょうか。

ランニングコストがかからない家にするためには?

みなさんこんにちは、建築家の松本勲です。

みなさんもニュースでなどで耳にすることが増えたと思いますし、暮らしの中でも実感されていると思いますが、ここ数年さまざまなものが値上がりしています。
これからも家計への負担が増していきそうな気配ですが、そんな中でも快適な暮らしを叶えるためには、住まいづくりの際に「ランニングコスト」を考えておくことが重要になります。

家を建てるときに最初に一回だけかかる費用をイニシャルコスト、建てた後もかかり続ける費用をランニングコストと呼びます。
新築を考えているときは、つい初期費用にばかり気を取られがちですが、ランニングコストを抑えることを見据えた設計はとても大切です。

住宅におけるランニングコストの代表的なものとしては、修繕やメンテナンスにかかる費用と光熱費に大別できます。

メンテナンスの費用は、家を建ててから年月が経つほど額が大きくなり、スパンが短くなっていきます。
一度にかなりの額が必要になることもあるため準備が必要ですが、これを抑えるには、日々の手入れや点検が必要なので、メンテナンスのしやすさを設計段階で検討しておくことが重要です。

ランニングコストの中でも大幅に削減しやすいのが光熱費。家族構成やライフスタイルによっても変わってきますが、こちらも設計段階から住宅の構造や設備をしっかり検討すれば費用を抑えられます。

●高気密かつ高断熱の住宅にする
高気密住宅とは、住宅の隙間をなるべく作らないように、高精度な建築部材や断熱材で建築したものです。
また、高断熱住宅とは、高性能な窓や断熱材を使うことにより外気の影響を受けにくく、室内の空気を逃さないように建築したものです。
これらの住宅は、冷暖房機器を効率良く使用できるため光熱費を抑えられます。

●太陽光発電と蓄電池を導入する
太陽光のみを設置している場合は、「使う」と「売る」ができます。そこに蓄電池も併せて導入すると「貯める」ことができるようになります。
昼間に貯めた電力を夜に利用する、昼間作った電力をそのまま自宅で使うなどライフスタイルに合わせて賢く使えるため、電気代の節約や省エネにつながることが大きなメリットです。

●外壁を工夫する
外壁に断熱材や、断熱効果のある塗料を使うことでも光熱費は抑えられます。
また、外壁は「面積」にも注意が必要です。表面積が増えるほど外気の影響を受けやすくなるため、複雑な形状にすればするほど光熱費は上がりやすくなります。
光熱費だけでなく、メンテナンス費用も上がるので、家の外壁の形状を決めるときはこの点にも注意が必要です。

●屋根を工夫する
屋根は、最も長く強い紫外線を浴び続けるため温度変化も大きく、光熱費にもかなり影響します。断熱などにより屋根の温度変化をなるべく小さくすることで光熱費を抑えられます。
屋根も外壁と同様に、複雑な形状であるほど施工コストやメンテナンスコストが上がるため、設計するときに注意が必要です。

住まいづくりでは、どうしても「見た目」に注目しがちですが、何十年も快適に、お得に暮らすための工夫はとても大切です。
住まいづくりの際は、ぜひ「ランニングコスト」のことも考えた住まいづくりを目指しましょう。

「ペットにとっての快適」も考えて住まいづくりを

みなさんこんにちは、建築家の松本勲です。

一戸建ての住まいを!という方の中には、「家を持ったらペットを飼いたい!」という方が多くいらっしゃいます。
特に最近は、家族の一員として家の中で飼う方が増えているので、家づくりの際には、内装にもペットのことを考えた対策が必要です。
実は、人にとって快適な空間が、必ずしもペットにとって快適とは言えないのです。

●ペットに優しい床材とは?
まず、ペットにとって床材選びは重要。床材の中には、滑りやすいものなどペットの足腰に負担のかかるものもあります。そのため、足腰への衝撃が少なく、滑りにくい床材を選びたいところです。
飼い主にとっても床は、ペットの毛や唾液、尿やフンなどで汚れることがありますし、爪による床のキズにも注意が必要。掃除がしやすく汚れが付きにくい素材を選ぶ必要があります。

□クッションフロア
クッションフロアは、耐久性に優れたビニール素材でできた床材です。クッション性があるので、ペットの足腰への負担を和らげます。掃除もしやすく、尿やフンなどの汚れも水拭きで簡単に落とせます。

□コルクタイル
コルクタイルとは、コルクの皮を使用した床材で、衝撃や音に強いという特徴を持っています。コルクには気泡が中に入っているので、ペットがジャンプしたときでも衝撃を吸収できます。また音も吸収できるので、犬の鳴き声などによる騒音を防ぐことが可能です。

□ペット対応フローリングも登場
最近では、ペット対応仕様のフローリングも登場しています。人とペット(犬)の歩行に対してすべりにくさを考慮した製品で、アンモニアや汚れ、すり傷に強く、ペットの尿による汚れや、ツメによるすり傷も軽減できます。また、食べ物や飲み物をこぼしてもお掃除が簡単です。

●壁材のペット対策
猫やウサギなどのペットは、「爪で壁をひっかく」、「歯で壁を削る」といった行為をします。壁も耐久性のある素材を選ぶことが必要です。また、ペットのニオイ対策も重要なポイント。消臭機能や脱臭機能の付いた壁紙がありますので、ペットを飼う方はぜひ検討したいものです。
また、室内でペットを飼う場合は「腰壁」を設置するという手も。
腰壁とは、腰程度の高さの壁で、パイン材や樹脂製のパネルといった耐久性のある素材で作ることで、壁紙の汚れやキズから守ることができます。また、腰壁とその上の壁紙の組み合わせによって部屋をおしゃれに演出することもできます。

飼い主だけでなく、ペットにとっても快適な生活が送れる住まいをぜひ検討したいですね。

将来も安心なバリアフリーへのリフォームを考える

みなさんこんにちは、建築家の松本勲です。

「高齢化社会がやってくる」と言われて久しい日本ですが、2022年時点で、65歳以上の高齢者人口は3627万人と過去最多。総人口に占める割合は29.1%となりました。
今、住まいにも高齢者が生活をしやすい環境づくりが求められています。
また、バリアフリーにすることは、高齢者ばかりでなく、家族皆が使いやすい住まいにする効果もあります。
「まだ若いから」と思っている方も、バリアフリーの工事にどんなものがあるか知っておけば、リフォームの際に適切に取り入れておくことができます。

代表的な工事としては、以下のようなものがあります。

●手すりの取りつけ
階段やトイレ、浴室、玄関の上がり框(かまち)、廊下などに手すりをつけることで、移動や立ち座りが楽になることがあります。階段は、左右両方に手すりをつけるのが理想ですが、片方だけなら降りるときの利き手側につけます。トイレや浴室の立ち座り用の手すりはL字型のものを。玄関の上がり框は、靴の履き替えをする場所に縦型の手すりを取りつけます。

●段差の解消
住宅内の事故で多いのが段差によるもの。高齢者は高さ1㎝ほどのわずかな段差でもつまずきやすく、骨折して入院するケースも多いので、リフォームの際に解消しましょう。

●階段の勾配の緩和
階段の勾配はゆるやかなほど昇り降りがしやすくなります。「高齢者等配慮対策等級」(住宅の品質確保の促進等に関する法律に基づく評価方法基準)の等級4、5では勾配が6/7になっており、蹴込み(垂直方向)が18㎝だとすると、踏み面(水平方向)は21㎝になります。階段のスペースがかなり大きくなってしまいますが、バリアフリーを目指すなら、少なくとも踏み面は21㎝程度にはしたいものです。

●ホームエレベーターで、家の中をラクラク移動
上下階の移動が多い場合は、家庭用エレベーターを検討するのもよいでしょう。階段は、つまずいたり、視力や筋力の低下により、上り下りが不安になることも。
設置場所がないという場合は、収納スペースや吹抜けを活用してホームエレベーターを設置することもできます。

●通路の拡張
一般的な廊下幅は約78㎝ですが、将来車椅子で移動することを考えると、広めにした方が車椅子での移動が楽です。

●室内出入口の扉の改良
開き戸は開閉スペースが必要ですが、引き戸ならスペースを取らないので出入りが楽になります。また、開き戸は開いたときに人にぶつかったり、通路をふさいだりするので注意が必要です。リフォームを機に引き戸に変更すれば心配は解消できます。
上吊り引き戸はレールがなく、レールの段差でつまずくこともありません。床面がフラットなので掃除がしやすいのがメリットの1つ。3枚引き戸にすると開口スペースが広くなり、車椅子での出入りも楽になります。

●滑りにくい床材への取り替え
家の中で多い高齢者の事故に、床で滑って転倒してしまうことがありますが、その原因の1つに「滑りやすい床」が考えられます。この事故を起こりにくくするためにできることとして、滑りにくい加工を施したフローリングやコルクのフローリング、タイルカーペットなどに替えるという対策があります。

●思い切ってホテル風のワンルームサニタリー
浴室、洗面室、トイレを合わせた空間をサニタリーと呼びます。日本では、それぞれが別の空間になっていますが、欧米ではすべてがワンルームにおさまっているのが一般的。ホテルのサニタリーもそのように作られていることが多いです。3つの空間を一緒にしたワンルームのサニタリーにすることもバリアフリーの1つ。3つ合わせることで広々とした空間になり、将来、介護が必要になったときにも安心です。

●部屋の温度もバリアフリー化をする
実は、室温のバリアフリー化も重要。通常、冬場のサニタリーは暖房がないので、リビングに比べて寒くなっています。トイレに行ってブルブルと震えた覚えがある人も多いでしょう。
問題なのは、入浴。暖かいリビングから寒い洗面所や浴室に入ると、温度差のために急激に血圧が上がることがあります。これは、血管が収縮し、細くなった血管に血液を送り出すために起こる現象。この現象を「ヒートショック」と呼び、心筋梗塞や動脈硬化、脳血栓などの原因となるばかりか、最悪の場合亡くなるケースもあります。

ヒートショックを起こしにくくする方法は、各部屋の室温を均一に保つこと。そのためには、住まいの断熱性能を上げることが大切です。
断熱リフォームを検討する、あるいは浴室や洗面所などの寒いところに暖房器を取りつけて、サニタリー全体の室温を上げるようにしましょう。

「快適に眠れる寝室」をつくるには?

みなさんこんにちは、建築家の松本勲です。

例えば、新築の家を建てるためにプランを打ち合わせする際。話題の中心はリビングやキッチン、水まわりなど。リフォームでも、まず水回りやリビングを思い浮かべる人が多いのではないでしょうか。それに対して、一般的に寝室は優先順位が低くなりがちで、そこに予算をかけようという方は決して多くないかもしれません。

しかし、睡眠は心身の疲れをリフレッシュして、明日への活力を充電するための大切な時間。猛暑が続き寝苦しさを感じる今の季節に、改めて寝室の環境を考える方もいらっしゃるでしょう。
寝室は人生の約3分の1を過ごす場所。すこやかな眠りとさわやかな目覚めをサポートしてくれる快適な寝室を目指してみてはいかがでしょう。

●光、音、通風、温度に配慮が必要
寝室で大切なのは、静かで落ち着ける空間作り。そのために特に重要な要素が、「光」と「音」です。また、「通風」「温度」も重要。寝室をどこに設けるか、どちら向きに寝具を置くか、どんなカーテンをつけるかは、これらと密接な関係があります。
人間が生活リズムを整えるには、毎日朝日を浴びて体内時計をリセットする必要があるといわれています。できれば、朝日が差し込む位置に寝室があると、さわやかな気分で一日がスタートできるでしょう。
しかし、東向きに大きな窓があると、日差しで早朝から目が覚め十分な睡眠が取りにくくなることも。夏場は暑くて寝ていられなくなる可能性もあります。
また、西向きに大きな窓があると、西日で室内が暑くなり、夜になっても寝つきにくいことに。とはいえ、カーテンやブラインドである程度コントロールできるので、周囲の環境や予算などを考えて最適な位置を選びたいものです。
眠ろうとする人にとって、騒音となるべく縁を切りたいと思うのは当然の心理です。夜更かしする家族がいるなら、寝室はリビングや浴室など音がする部屋から離したいもの。キッチンも、冷蔵庫や食洗機、炊飯器といった家電の音がするので、隣接させない方が無難です。同じフロアにある場合は、収納を間に挟むなどして音が伝わりにくくすると良いでしょう。
また、特に高齢者の場合、トイレが寝室の近くにあると便利です。

●落ち着いた飽きのこない空間に
寝室は心身を休める場。リラックスできるよう、内装は全体的にシンプルで落ち着いた、飽きのこない色づかいを心がけると良いでしょう。カーテンは、遮光性や遮音性があるものを選ぶと安眠を確保しやすくなります。
照明は、部屋全体を照らすものとは別に、足元灯を設置しておくと、夜中にトイレに行く際などに便利。また、間接照明で穏やかな雰囲気を演出するのもおすすめです。
スペースに余裕があれば、好みに合わせて書斎コーナーやミニバー、化粧コーナーを設けるのも良いでしょう。就寝前や寝起きのちょっとした時間が充実するのはうれしいものです。

●適度な距離感が保てる「夫婦別寝」
子どもが幼いうちは家族が一緒に寝ていても、ある程度大きくなったら夫婦と子どもが別々に休むスタイルを選ぶ人が大多数です。夫婦が一緒に寝る際、エアコンの好みの温度が違ったり、眠るタイミングが違ったりすると、どちらかが我慢してストレスを感じることもないとはいえません。パートナーのいびきや歯ぎしりが気になる人もいるでしょう。
子どもが独立して子ども部屋が不要になり、空間に余裕がある場合は、夫婦それぞれが寝室を持つというのも1つの手です。
2つの寝室を設けるほどスペースに余裕がない場合でも、夫婦のベッドの間を家具や柱、可動間仕切りでゆるく区切り、ほどほどに独立した空間を作ることは可能。お互いの気配が感じられながらも適度な距離感が保て、夫婦それぞれが気兼ねなくマイペースで夜を過ごすことができるでしょう。

風通しの良い家は快適な家

みなさんこんにちは、建築家の松本勲です。

前回こちらのコーナーで、住まいの気になる臭いについてお話させていただきました。
対策の一つとして、臭いを充満させないこと=換気の徹底がポイントでしたね。

では、実際に換気がしやすい「風通しのよい家」とはどんな家でしょうか?
風通しがよく、気持ちのよい家に住みたいと考える人は多いと思いますが、自宅を風通しのよい家にするには、風の通り道を意識して間取りや窓の位置を考えることが重要です。

風通しがよい家に住むメリットはたくさんあります。
例えば・・・

●湿気が抑えられカビにくい家になる。
風通しのよい家は、常に空気が循環して換気されやすいのが特徴です。自然換気によって古い空気が新鮮なものに入れ替わるとともに、余計な湿気も排出されます。
家の中は、人の呼気や料理の湯気などで湿度が上がりがちです。雨の日や、梅雨から夏場にかけての湿気の多い季節であれば、なおのこと湿気は溜まりやすくなります。風通しのよい家では室内の湿気を常に排出できるので、カラッとした空間を実現できます。
湿度が下がれば、カビの発生を抑えられるのもポイントです。カビの胞子によるアレルギー症状などの予防にもつながるため、小さな子どもやペットのいる家庭にとってはより大きなメリットがあります。

●部屋干しでも乾きやすくなる
雨の日や梅雨の時期は、洗濯物を部屋干しする機会が増えるものです。室内干しでも洗濯物が乾きやすくなるようにするには、干す場所の湿度を下げて風を当てる必要があります。
風通しのよい家は、先ほど紹介したとおり室内の湿度が低く保たれ、風が室内を通り抜けやすくなっています。つまり、室内干しの洗濯物が乾きやすい環境がそろっているのです。部屋干しでも早く乾きやすくなるため雑菌が繁殖しにくく、生乾きの嫌なにおいの対策にもなります。

●心地よい暮らしが実現する
風通しのよい家は空気が常に循環していて、ベタベタせず心地よい室内環境が保たれます。
高温多湿な日本の夏では、心地よく過ごすためには風通しのよい家は必須ともいえるでしょう。家は多くの時間を過ごす場所であるため、家の快適性が上がれば、家族のQOL向上も期待できます。

では、風通しのよい家にするためには、どのような点を意識すべきなのでしょうか。

●窓を2箇所設置する
室内の風通しを確保するには、各部屋に窓を2ヶ所設置するのが効果的です。
窓を2ヶ所以上設けると、窓と窓の間に風の通り道が生まれ、室内を風が通り抜けるようになります。このとき2ヶ所の窓が対角線上にあるとより効果的です。

●天井近くに窓を設置する
温かい空気は冷たい空気に比べて軽いため、室内の上方に溜まる性質があります。そのため、特に気温の高い夏場は、天井近くに空気が停滞しやすくなるのです。
高い位置に窓を設置すると、天井近くに停滞した空気が窓から排出され、気流が発生します。これにより、下方にある比較的冷たい空気が上方へと流れて窓から出ていくという風の通り道が完成し、家全体に縦の空気循環を生み出せます。

●風の通り道をつくる間取りにする
風通しのよい家にするためには、風の通り道を意識した間取りにするのも効果的です。具体的には、たとえば下のような間取りを意識するとよいでしょう。

この間取りのポイントは、対面上に窓やドアがあり、風の入口と出口が設けられていることです。ドアや窓を開放すると風が一直線に通り抜け、室内に風の通り道をまんべんなく確保できます。空気が滞りがちなキッチンの隅の空気も循環するので、調理によるにおいや煙も気になりにくくなるでしょう。

●窓やドアを開けやすいタイプにする
せっかく窓やドアなどの開口部があっても、手が届かなかったりすぐ閉じてしまったりするようでは、常時開放が難しくなってしまいます。窓やドアを開けやすいタイプにすることで、ストレスなく開放でき、風通しを確保しやすくなるでしょう。

風通しのよい家は、室内を新鮮な風が通り抜けるので湿気を抑えられるのがメリットです。カビが生えにくく、洗濯物がすぐ乾くなど、快適な住環境を実現できます。
自宅を風通しのよい快適な家に。
新築でもリフォームでも実現しますので、ぜひ松本工務店にご相談ください。

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